性能
ノイズ
AD360は±10V入力(厳密には±10.1V)で18bit精度なので、1LSB≒76μVとなります。
次の図は入力をショートしたときの波形です。
18bit AD変換の結果は常にノイズで揺らいでいるため、固定値にはなりませんが、ヒストグラムを取ってみると、ほぼ±2LSBの範囲内に収まっており、ノイズレベルは約140μVであることがわかります。
この性能は、使用しているADコンバータ(Analog Devices社 AD7691)のデータシートに記載されている、DC入力した場合のヒストグラムと比べても遜色がないことがわかります。

(AD7691ではσ=1.41で、AD360ではσ=1.9となっています。この差は、10V入力に対応するためのアナログフロントエンド回路およびVREF電圧が2.02Vと低く設定しているためと考えられます。)
歪率
オーディオアナライザ(Panasonic製VP-7723A)を用いて、正弦波(-100dBc)を入力し、50kHzでサンプリングしたときのスペクトラムを示します。
5kHz正弦波
5kHzの正弦波を入力したところ、10kHzのところにはほとんど高調波はなく、15kHzで初めて観測されます。したがって、二次高調波はほとんど存在していないと思われます。
10kHz正弦波
周波数を10kHzにすると、高調波が観測されます。このとき基本波は-20dBのピークを持ち、20kHzのところに-110dBの高調波がみえます。これは30kHzの高調波がエイリアシングで折り返して見えたものと考えれます。
このスペクトルから、単純に考えてもひずみ率は-90dBはあると想定されます。(※実際には基本波が幅を持ってひろがっているので、ひずみ率は-110dB程度と予測されます)
全チャネルでのひずみ率測定
すべてのチャネルでひずみ率を測定(±約9.8V正弦波)したところ、観測されたひずみ成分は、どのチャネルでも同じように-110dB程度となっていました。
INL(積分非直線性誤差)
標準電圧発生器(YOKOGAWA 7651)を用いて-10Vから+10Vまでの電圧を0.04Vステップで与えたときの計測値と、与えた電圧の差をグラフ化することで、簡易的にINLを測定したところ、±100μVの範囲内に収まっていることが確認できました。
ギザギザして見えるのは、「YOKOGAWA 7651」自体の持つINL性能なので、当データロガーのINL性能はより小さく、±70μV程度と考えられます。
※-10V付近でINLが悪化していまうが、現在は改善されています。
ゲイン誤差・オフセット誤差
すべてのチャネルでオフセットとゲイン誤差を測定したところ、ゲイン誤差は100ppm以内、オフセット誤差も100μV以内となっていました。
| オフセット誤差[μV] | ゲイン誤差[ppm] | INL[μV] | |
|---|---|---|---|
| CH1 | 50 | 69 | +150/-150 |
| CH2 | 100 | 20 | +150/-150 |
| CH3 | 30 | 26 | +150/-150 |
| CH4 | 50 | 26 | +150/-150 |
| CH5 | -20 | 40 | +150/-150 |
| CH6 | 10 | 32 | +150/-150 |
| CH7 | -8 | 37 | +150/-150 |
| CH8 | 60 | 84 | +150/-150 |
| CH9 | 70 | 40 | +150/-150 |
| CH10 | 70 | 30 | +150/-150 |
| CH11 | 70 | 10 | +150/-150 |
| CH12 | 50 | 55 | +150/-150 |
| CH13 | 90 | 45 | +150/-150 |
| CH14 | 20 | 40 | +150/-150 |
| CH15 | 0 | 20 | +150/-150 |
| CH16 | 0 | 60 | +150/-150 |
| CH17 | 20 | 40 | +150/-150 |
| CH18 | 60 | -2 | +150/-150 |
| CH19 | 70 | 60 | +150/-150 |
| CH20 | 50 | 45 | +150/-150 |
測定に使用した機材
YOKOGAWA 7651
プログラマブル直流電圧/電流源とよばれる装置です。正確な電圧を作るのに使用しています。

オーディオアナライザ VP-7723A
-100dBクラスの正弦波を生成するために使用しています。中身は設定可能なCR発振器のようです。










